1 定期訪問のポイント
定期訪問時は、技能実習責任者や技能実習指導員、生活指導員、技能実習生(以下、実習生)と面談するようにしましょう。
実習生、実習実施者(以下、受入企業)双方を 監理(指導)することにより、技能実習が行える状況がベストです。そのためには受入企業側にも、実習生を受入れる責任を持つよう指導しましょう。
定期訪問で責任者や指導員を面談した際は、実習生とどう接しているのか?例えば、不平不満や批判ばかりになっていないか?(良い面も見ようとしているのか?や、人権的(ハラスメント等)に問題のある発言がないか等を注意して聞き取りしましょう。
実習生の抱える不安や不満は、ちょっとした言葉の使い方に表れてきますので、聞き逃さないようにしましょう。実習生側が正しいかどうかは別にして、実習生は自分たちの主張を伝えてきます。まずは実習生の主張をしっかり聞いて、その後に間違っている部分ははっきり間違っていると伝えましょう。
日本人特有の曖昧な回答やどちらにも受け取れるような言い回しは、実習生には理解されません。
実習生に間違いを指摘する場合は、必ずその場で行いましょう。時間を空けると理解が遅くなりますので、その場での注意が有効です。
また、良いところを積極的に褒めることも大切です。ただし、褒めすぎると調子に乗り過ぎて失敗することもありますので、バランスが大事です。
褒めるときはもっと良くなる方法を交えながら褒めると良いでしょう(例えば「もっとこうしたらよくなるよ」など)。
もし、実習生が失敗したときは、その原因は何なのか?どうしたら失敗しないのか?を一緒に考えてあげましょう。受入企業側も一緒に考えることで、実習生だけでなく企業の成長にも繋がります。
実習生の生活に関しても注視しましょう。友人や知人に借金をしてはいないか?(最近の実習生はネット賭博等で周辺の人から借金をしている場合が散見されます)や、部屋に海外から送ってきた段ボールなどの荷物が山積みになっていないか?(副業をしていないか?)が観点です。
また犯罪や失踪の兆候になるサインも見逃さないようにしましょう(例:化粧品や医薬品が何ケースも置かれている→盗品の可能性、地域の同国人コミュニティに夢中になっている→失踪勧誘される可能性)。
宿舎(寮)のチェックも行いますが、勝手に実習生の部屋に入ってはいけません。突然訪問するのは構いませんが、実習生在室時にしましょう。特に女性の部屋に男性が立ち入る際には本人の了解を得てからにしましょう。問題がない実習生の部屋はきれいに片付けられています。
ただし、最初から片付けができる実習生は少ないのでこまめに宿舎を訪問して、必要なら「この状態を維持しなさい」まで一緒に片づけることも有効です。
2 試験
基礎級試験は「入国したら速やかに」外国人技能実習機構(以下、機構)の受験支援申請を行います。
機構の受験支援サイトより必要事項を記入しメールします(初回は監理団体自体の登録も必要です)。
職業能力開発協会(通称、職能)所管の場合は職能から手続き書類が届きますので、その書面に従い処理を行うことになります。職能とは別所管の職種の場合は、それぞれ申込方法が異なりますので注意が必要です。職能所管の試験は過去問題が公開されていますので、事前教育の際に活用できます。
参考:https://www.kentei.javada.or.jp/
その他の職種も、それぞれの試験管轄機関より試験問題やテキストなどを入手できますので(一部有料)、数カ月前から準備をしておきましょう。
監理団体は受入職種の試験に精通している必要があります。実技試験については使用する道具や場所、また不明な点などの確認をし、事前に練習しておきましょう。
計画認定の完成品に含まれていたとしても、実際の試験とは異なる場合がありますので、事前に実技試験要領を入手し対策しておきましょう。再試験になった場合の費用負担や試験会場への送り迎えなども事前に受入企業側と打ち合わせを行っておきましょう。
外国人受入適正化協議会 ~SAVE~ 田代